オリジナル商品に顧客が抱くネガティブな感情
どんなECサイトにも当てはまることですが、創業期には出来るだけ品揃えを「狭く」「深く」絞ることが重要です。
他では手に入れることの出来ない魅力あるオリジナル商品を取り扱ったり、大手ECサイトが相手をしないようなニッチ商品を売ることで、大手との勝負を避けながら地道に力をつけていくのが王道です。
しかし、いくら商品力があったとしてもオリジナル商品を売ると言うのは少々難しいのです。なぜならほとんどのオリジナル商品は、市場に知られていない知名度の低い商品だからです。
顧客は無名の商品に対して、不信感や不安感を抱きます。どこの誰が作った商品なのか、品質は大丈夫なのか、価格は妥当なのかと、無名な商品に対し、顧客はネガティブな感情を持つのです。
入口商品を使ってオリジナル商品を売ってみよう
このような時に非常に役に立つのが「入口商品」です。
「入口商品」とは、低価格などをウリに購入のハードルを低くして先ずはとにかく買ってもらうことを目的とした商品のこと。化粧品の無料サンプルセットとか、10日間のトライアルキットとかがそうです。
顧客にとって、聞いたこともないブランドの化粧品をいきなり買うのは勇気がいることです。先ずは安価なサンプルであれば失敗してもよいと考えてくれます。
入口商品は損をしても売るべきか?
入口商品の目的は、新規顧客を獲得し、本商品へコンバージョンすること。そのためにはとにかく先ず一回買ってもらわなくてはなりません。たとえ最初に損をしても、のちに損を回収し利益を上げられると分かっていれば、損をしてでも売るべきです。
ただ、なんでもいいから損をしてでも売るのではなく、キチンと事前にシミュレーションを行いましょう。
シミュレーションにはこんなやり方があります・・・。
「入口商品」を売るのにかかった広告費 500,000円
「入口商品」の粗利益額 -1,000円
「入口商品」の売れた個数 100個
「入口商品」から「本商品」へのコンバージョン率25.0%
とすると。
入口商品をひとつ売るのにかかる広告費
500,000÷100 = 5,000
入口商品の粗利益が -1,000円なので、
入口商品をひとつ売るのにかかるコストは6,000円。
コンバージョン率25.0%を考慮すると、
本商品をひとつ売るのにかかるコストは24,000円になります。
一方で、
本商品の粗利益額 8,000
平均購買頻度 年間4回
コスト回収期間 1年
とすると。
8,000×4×1 = 32,000 なので
本商品を買った人が一年間もたらす利益は32,000円 になります。
ということで利益32,000円、コスト24,000ですから、広告費を500,000円かけ、「入口商品」をひとつ売るたびに-1000円の赤字で販売してもよいということになります。