ECサイトを取り巻くふたつの領域
ECサイトの売上をあげるためにやるべきことと言えば、
などが代表的な施策。
これらの施策は
の三つに大別できます。
つまり、ECサイトの運営はやらなきゃならないことがたくさんありますが、大きく分けるとこの三つになるのです。
ECサイトを立ち上げたばかりで、何をしたらよいのか分からない場合は先ずは「集客」。お店に人が集まらなければ何も始まりません。
更に言うと、
「集客」から「購入」までを「アクイジション領域」
「リピート化」を「リテンション領域」と言ったりします。」
この分け方、分析の観点から言うととても大事。
アクセスログ分析だけでは、ECサイト全体の課題は見えてこない
分析をして課題を発見するぞと、アクセスログ分析だけをガシガシやっているECショップがよくあるけど、実はサイト全体の課題を発見するには、アクセスログ分析だけでは足りません。
ECサイト全体の課題を発見するには、サイトを取り巻く二つの領域、「アクイジション領域」と「リテンション領域」を統合的に分析することが重要。しかし、現状ではそのどちらかに偏って分析が行われる場合が多いのです。
なぜかと言うと、それはデータの持ち方にあります。
「アクイジション領域」を分析する為に必要なデータはアクセスログで、「リテンション領域」の分析に必要なのは顧客データや売上データ。
統合的な分析を行うには、このふたつのデータをガッチャンとつなげる必要があるのですが、システム上それが出来ないことがほとんどです。
アクセスログ分析は、Google Analyticsなど無料の優れたツールが発達したお蔭で、誰でも安価で手軽に行えるようになりました。広告代理店なんかが手軽にチョロっと分析っぽいことをしたりします。
でも、アクセスログ分析で分かるのはあくまでも「アクイジション領域」のこと。どこからサイトにやってきて、サイトでどんな行動をしたのかは分かっても、これまでに何をどれくらい買っていたのか、何を買いやすいお客さんなのかなど「リテンション領域」のことは分かりません。
アクセスログ分析だけ行っていても、ECサイト全体の課題を把握出来ないというのはこんな理由があるのです。
アクセスログとeコマースデータを統合しよう
ECサイトの「アクイジション領域」と「リテンション領域」がバラバラに分析されている原因はデータの持ち方にあると言いました。
Google Analyticsを使用している場合、このことを解決するのにデータインポート機能が便利です。
この機能を使うと外部ソースからデータをアップロードし、Google Analyticsで収集したデータと統合することができます。その後は、Google Analyticsを使って今までと同じようにデータを整理、分析できます。
顧客のライフタイムバリュー別にサイト内行動を把握するとか、ロイヤリティ別にサイト内行動を把握することが可能になって、分析の奥行きもぐっと深まります。
ただ、データインポートを機能を使用するには、システム構成やデータの取り込み方により、開発が必要になる場合もあります。専門家の手を借りないと設定が出来ないという場合もありますので、その場合はご連絡ください!(営業モード)
更に売上方程式を工夫してみよう
ECサイトの「アクイジション領域」と「リテンション領域」がバラバラに分析されることが多いのは、データの持ち方だけでなく、他にも原因があると思います。
売上=訪問数×CVR×CV当たりの平均単価 という売上方程式が犯人じゃないかと思ってます。
しばしばこの売上方程式をベースにして、ECサイトの分析が行われたり、施策が行われることがありますが、考え方自体は間違ってないけど、この方程式には「リピート化」の概念が抜けてますよね。
この方程式をベースとした考え方では、「アクイジション領域」の分析だけ行われ、「リテンション領域」の分析は行われないということになります。
この方程式による分析は、アクセスログだけで行うことができますが、ECサイト全体の課題を把握するには足りないです。
それを解決する為には、売上方程式を以下のように変えてみるといいと思います。
売上=未購入者訪問数×未購入者購入率×初回購入単価+セグメント毎購入金額の総計
(セグメントは各サイトの状況に応じ適宜変化)
このようにデータの持ち方を変えるだけでなく、どのような考え方で分析を行うかを考えることも正しい分析結果を導く為には必要なことなのです。