ミクシィとネットアイドルの思い出

ミクシィとの出会い

ボクがミクシィを使い始めたのは、割と早い方だったかもしれません。ミクシィは2004年2月に運営が開始されたのですが、それから半年後くらいに利用を始めています。

当時、広告制作会社にいたボクは、仕事柄、広告・マーケティングの情報はいつも気にしていたし、周りの人もそんな感じでしたから、その手の情報は割と早く回ってきたのです。

SNSという言葉も出来たてでまだ話題先行の頃でした。

ミクシィの使い方はよく分からなかったのですが、話題になったものは先ず自分で使ってみることが大事でした。

当時、ミクシィは紹介制でした。

既に会員だった同僚から紹介を受け、早速、登録。同僚達とマイミクになり、たわいもない会話を楽しんでました。

職場にいて、目の前にいるのだから直接話せばいいのですが、無理矢理ミクシィ経由で会話して盛り上がってました。

そんな感じで社内にミクシィブームが訪れ、誰かのPCをひょいと覗き込むと、みんな画面がオレンジ、そんな時代でしたね。

懐かしい。

その当時部下だったMMさんという女性がネットアイドル（自称）でした。MMさんは自分のWEBサイトをもっていて、そこにパンツ丸見せのコスプレ写真を掲載し、ネットアイドルとしてそこそこ人気があったようです。

そのパンチラコスプレ写真を、職場の男性に見せて回るというちょっと変わった人でした。

上司であったボクには見せてくれないという、妙なわきまえ方を知っていたようです。

MMさんは仕事はそこそこ出来きたので、ネコの手も借りたいほど忙しかったボクは、ネコの代わりにネットアイドルの手を借りることにしました。

ただ、Aさんはネットアイドルのくせにズボラなところがあり、いつもデスクの上が散らかったままでした。あと、徹夜で遊びまわっているらしく、毎朝遅刻してくるのと、常に髪の毛がやや脂ぎっていることが気になりました。

そんなMMさんが、ある日を境に突然会社に来なくなったのです。

会社に来ず、連絡も取れません。

机の上には、書類と食べかけのお弁当箱が放置されたままでした。

散乱した書類を整理してみると下の方からお箸が出てきました。

失踪したネットアイドル

食べかけのお弁当

書類の下からは使用済みの割り箸

「・・・。」

コナン君ならどう推理するでしょうか。

あまりにも不思議な状況でしたが、彼女がミクシィをやっていたことを思い出し、ミクシィの日記で消息を掴むことにしました。

MMで検索すると一発でそれらしき人がヒットしました。過去の日記からみるとMMさんに間違いありません。

会社にこなくなってからも日記が更新されていたので、少なくとも生きていることが分かりました。

ミクシィの投稿の内容は、ほとんどがAさんの「夜の生活」についてでした。

いや、正確に言うと、夜だけじゃなく一日中しているので、「一日の生活」でしたが。

どうやら彼女の生活パターンは、
「いたす。」「いたす。」「寝る。」「いたす。」の繰り返し。

同棲している彼とただひたすらいたしていて、その事をミクシィで報告しているのです。

「権藤、権藤、雨、権藤」と言われた権藤博も真っ青の、「いたす。」登板過多。
身体壊します・・・。

寝食忘れ、毎日いたしていれば遅刻するのも無理はないと理解し、そっとミクシィを閉じました。その後、Aさんはボクがミクシィを安否確認に使用していると気付いたのか、更新をやめてしまい、しばらくして退職してしまいました。

あれから随分経ちました。ミクシィもすっかり変わってしまいました。彼女が今どこで何をしているのかは全く分かりません。ただ、少子化対策の切り札として大活躍していると思います。