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「普通であること」「特別であること」

現代社会には、「普通であること」が価値基準のひとつとして存在します。子供の頃から、学校では秩序だった行動が求められ、教育されます。

自分が子供の時の事は忘れてしまっているのですが、自分の子供の授業参観に行ってみてゾッとすることがあります。授業中の手の上げ方、発言の仕方から、算数でグラフを描く時の物差しの使い方まで決まっています。

先生に決められた通りに子供たちが行動します。チームワークを大切にし、全体の和を乱してはいけない、個性を抑制し、普通の生徒でいるように求められます。

東日本大震災の時、日本人がパニックを起こさず秩序よく行動をしたことが話題になってたけど、これって日本人が子供の時から学校で社会のルールを守るように教育された結果です。これは日本の教育がよい方向に作用した例ですが、一方で「特別であること」を否定され、無個性な人間が量産されているのも確かなこと。

多くの日本企業が踏み出せない差別化への歩み

無個性が量産される状況は日本企業の商品開発にも当てはまります。競合との血みどろの闘いを避けるには、差別化が必要と分かっちゃいるけど、多くの日本企業は「良いけど違いの無い」商品を開発することを目指します。

時には「とんがっていて差別化された」コンセプトで開発が始まる商品もあります。でも、すったもんだの挙句、結局、「良いけど違いの無い」商品として発売されることになるのです。

なぜこのような状況になるのか。

それは「他と違う」「今までにない」商品は賛否両論になるからです。「普通であること」を是とした教育を受けた我々日本人は、開発時の否定的意見を無視して開発を押し通すことができません。開発者がサラリーマンであれば尚更です。

日本企業が「良いけど違いの無い」商品を開発した結果、店頭には大して変わらない似たような商品が並び、その結果、血みどろの戦いになるのです。

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大胆さの先にあるブルーオーシャンを目指そう

日本生まれの世界的大ヒット商品と言えばソニーのウォークマンです。

発売前、ウォークマンに対しては、賛否両論どころか否定的意見だらけでした。それまで音楽はスピーカーで聞くのが普通だったし、録音機能も付いて無いし、そんなもん売れないという意見がほとんどだったそうです。それでも、盛田さんが絶対に売れると社内を説得して開発を続け、発売した結果、歴史的な大ヒット商品になったのです。

ウォークマンの場合は、トップが自ら社内を説得して、開発を進めたから商品化され、成功しました。

トップが大胆なアイディアを持ち、なんとしても成功させるという信念と共に推し進める。これから日本企業がウォークマンに続く大ヒット商品を生むには、こんな条件が必要なのかも知れません。
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