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まだまだ拡大するEC市場規模

楽天市場がサービスを開始したのが1997年。今年で19年。来年で早くも20年です。
サービス開始当時はインターネットで物は売れないと言われていた時代。なかなか加盟店が増えず、加盟店を探しに三木谷さん自ら全国を飛び回ったそうです。

そんな黎明期を経て、今や日本のEC市場(B2C)は12.8兆円、EC化率は4.37%です。EC化率は、他の国と比べるとまだ低く、たとえばアメリカのEC化率は約7%、イギリスは約9%だそうです。日本のEC市場は、これからまだまだ拡大の余地があると言われています。

仮にEC化率が20%まで拡大したとすると・・・。

市場規模は58.6兆円。今の市場からプラス45.8兆円。なんとなくこの辺りまでは伸びそうと言われてるけど、実際はどうなんでしょうか?

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出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」

EC市場の拡大を妨げるものは?

まだまだ拡大すると思われているEC市場ですが、その拡大を妨げる要因として考えられることがあります。

ひとつは、日本の実店舗がとても便利で優秀だということ。

そして、もうひとつは高齢化社会です。
10代~30代はインターネット通販でのスマホ利用率が30%~35%程度ありますが、年齢が高くなるにつれその割合は減ります。60代にいたっては0.6%とほぼPC利用者です。

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出典:日本通信販売協会「ネット通販に関する消費者実態調査2013」


このような理由から、EC市場は今後拡大の余地は残しているものの、今までと同じペースのままでグイグイと拡大という訳にはいかないと思っています。EC化率のスピードは他の国よりも遅いんじゃないでしょうか。

大手ECサイトの趨勢

日本のEC業界のトップを走ってきた楽天の2015年12月の決算をみると、国内EC事業の営業利益は前年比4.6%増で、前年の伸び率から5.7ポイントダウン。2015年Q4では同事業の営業利益は前年同期比0.6%アップでほぼ横ばい。

ヤフーやアマゾンとの競争が激化が原因で、楽天の勢いもだんだん衰えてきたとの見方が多いです。

一方、アマゾンは直販リテール事業と、販売事業者マーケットプレイスに出品するセラーサービス事業の二軸でサービスを展開中。なんと品揃えは1億種類以上だそうです。何でも売ってますね。最近じゃ新車だって売ってます。

Yhaoo!は「以前のYhaoo!はサボっていた」と本気を出し始めています。無料化して店舗数を一気に増やしたところなんか、誰かれ構わずバンバンとモデムを配っていたYahooBBのやり方を思い出します。
店舗数と商品数を増やしたあとは、検索をしやすくするというのがYahoo!の狙いです。楽天の検索とかめちゃくちゃ使いづらいですからね。サービスの差別化ですね。

3社ともこれからは、サービス領域のEC化を狙っているんじゃないかと。
例えばマッサージの予約とか、ヨガ教室とか、ペットシッターでもいいし。予約の申し込みが楽天、アマゾン、Yahoo!で出来る様になればかなり便利。しかもサービス業の市場規模が超巨大ですからね。実現したらすごいことになります。

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小規模ECサイトの生きる道

こんな状況下で、小規模ECサイトも生き残っていかなくてはなりません。
それにはとにかく大手と同じことをやらないこと。独自性が大事です。独自性を出せるのは、商品とか、価格とか、付加価値。

価格で差別化するのは、小規模サイトにとってキツイので止めましょう。
そういえば、安さでアマゾンに対抗して立ち上がったJet.comはどうしましたかね。
会員制のコストコモデルを最近変えたみたいです。

小規模サイトはやっぱり商品で独自性や付加価値で独自性を出すしかないです。

付加価値と言えば、美容院とか、エステ業界もそうだけど、特定の人にお客さんが付いていることがあります。その人が店を移動するとお客さんも一緒に移っちゃう。そういう美容師とかエステティシャンって技術力があるのはもちろん、顧客の好みとか、必要なものをキチンと把握していて、それぞれの顧客に合ったものをオススメしてるんですね。そんな付加価値があるからお客さんが付いてくる。

これからは同じような事がECの世界にもあると面白い。他の店と同じものが売っているけど、このショップだから買うとか、この人が奨めてくれるから買うという感じ。まだそんなショップは無いけど、小規模ショップなら可能なんじゃないかと思うこのごろです。