「あれってどう?」に備える業界人
ボクは今まで、広告業界とか、マーケティング業界とか、WEB業界とか、その周辺で仕事をしてきました。この業界で仕事をしていると世の中で話題になった(なりそうな)モノとかサービスとかを人より早く使ってみることが多くなります。
なぜかと言えば、クライアントから「あれって、どうなの?」的な質問をされ、答えられないと困ることもあるし、質問されるよりも早く「あれって、ああです。」なんて言えると喜ばれたりするからです。
そんな訳で、そういう情報には普段からアンテナを張っているし、周囲にいるのはそんな人ばかりだから自然と耳に入ってくることになります。結果、人より早く使い始めることが多くなるのです。つまり、この分野においてボクは、いち早く新商品に飛びつくイノベーターです。
教科書通りに市場に浸透したSNS
mixiや、twitter、Facebookは、ボク達、広告マーケティング業界関係者は世の中の人よりもかなり早く使い始め、それから一般人に広がっていきました。いずれのサービスも、ボクや、ボクの周りの人達はかなり初期段階から使っていました。まだ、SNSという言葉がまだ一般的ではなかった頃でした。ボク達が使い始め随分と経ってから若い人たちが使い、世の中にmixiブームが起こった頃には、ボクの周りでmixiブームは既に去っていた。そんな記憶があります。正にイノベーター理論そのままに市場に浸透していったと言えます。
人柱によって市場に浸透したLINE
でも、LINEについては、これらとは全く違った広がり方をしました。どちらかと言うと、この手のサービスを今までいち早く使っていた人達は、当初、LINEを使い始めるのを躊躇していたと思います。
それは、LINEが勝手にアドレス帳にアクセスし友達を追加したり、友達削除が出来なかったり(現在は可能)、アカウント削除が難しかったり、便利なんだけど怪しさ満点な仕様である事が原因でした。ボクも個人情報が抜かれる(アドレス帳を根こそぎ持って行かれる)というセキュリティ面が事が心配で、LINEを使い始めることには慎重でした。
当時、Facebookで怪しげな診断アプリを使ったキャンペーンが流行っていたり、全く知らない可愛いギャルからの友達申請がたくさん来たり、そんなことにホイホイ手を出すのは脇が甘すぎという風潮もありました。
でも、「そんなの関係ねー」とセキュリティリスクを気にしない若者が人柱となり、便利だし無料だからとガンガン使い出し、LINEは瞬く間に若者達の間に浸透。続いて主婦層が使い出し、ボク達がほげーっと様子を見ているうちに世の中に瞬く間に広がって行きました。ボク達、業界系オジサンがおそるおそる使い始めたのは世の中に浸透してから随分経ってのことでした。
導入を躊躇していたオジサンの中の一人としては、見た目は毒キノコっぽいけど、実は美味しいキノコを若者に見付けてもらった感じがしてます。
いつもと違う形で世の中に広まったLINEですが、日本の人口のなんと40%以上をカバーするソーシャルメディアとなりました。このように何かブレイクスルーが起きるには、教科書と違うことが必要なのかもしれません。