ネットショップが売上アップに苦戦する理由のひとつに、他の店でうまくいった施策をそのまま取り入れてしまうことがあります。
スイーツを売っているネットショップと、薪ストーブを売っているネットショップの売り方は同じにはなりません。
取り扱っているものが変われば、それを欲しいと思う人は変わるし、それに伴って売り方も変わります。
やるべきことは店ごとに違うのです。
そこで今回は、ネットショップの売り上げをアップするために、知っておきたい知識についてまとめてみました。
ネットショップの売上を伸ばそうとするときに基本となる考え方や、ショップの特徴ごとに適した売上アップ施策について説明します。
わたしたちフォーナウが新規顧客の売上を20倍にしたコンサルティグ事例にも触れています。
ECサイトの売上がうまく伸びなくて困ったときに読んでみてください。
あなたのショップの売上をアップさせるヒントが見つかると思います。
それではいきます!
目次
2 ネットショップの状況によって売上アップの戦略は変わる
2-1 ライフサイクルのステージによる戦略の違い
2-2 ショップの取扱商品による戦略の違い
3 セッション数・転換率・客単価をアップさせるには
3-1 セッション数 – 来客数の増やし方
3-2 転換率の上げ方
3-3 客単価の上げ方
ネットショップ売上アップのための基本戦略
まず、売上アップのための基本戦略をたてます。
基本戦略をたてるときに使うと便利なのが、売上方程式です。
売上方程式とは、売上の構造を分解して分かりやすくしてくれる計算式のことです。
売上方程式を使うと、課題が見えやすくなり、どのような戦略を立てればよいのか分かるようになります。
ECサイトの売上方程式では以下のものがよく使われます。
売上 = セッション数 × 転換率(コンバージョン率) × 客単価
この売上方程式を見ると、売上をアップさせるには以下の3つの方法があることが分かります。
セッション数・転換率・客単価のどの数値を重点的に上げていけば、効率よく売上が増加するかを見極め、売上アップの戦略をたてます。
注意しておきたいことは、売上方程式はひとつだけではないことです。
今回は、わかりやすくするためによく使われている売上方程式「売上 = セッション数 × 転換率(コンバージョン率) × 客単価」を例にあげましたが、実際に戦略をたてる時はシンプルすぎるかもしれません。
もう少し売上の構造を細かく分解した売上方程式の方がよい場合もあります。
そのへんは、状況に応じて変えていきます。
ネットショップの状況によって売上アップの戦略は変わる
冒頭でも触れましたが、ネットショップが売上アップに苦戦する理由のひとつとして、ショップの状況を考慮せず、他のショップと同じ戦略をとってしまうことがあります。
ここでは戦略が変わる原因として、「ライフサイクルのステージ」「取り扱い商品」のふたつをあげて説明します。
ライフサイクルのステージによる戦略の違い
ネットショップにはライフサイクルがあって、導入期 → 成長期 → 成熟期 → 衰退期 の4つの段階(ステージ)を経て、その状況は変化していきます。
導入期にあるショップでは、お客さんがまだ少ないのでとにかくサイトに来てくれる人を増やさなくてはなりません。
そのため、新規顧客の集客に重点をおく必要があります。
成長期を過ぎて成熟期の段階にあるショップでは、新規顧客よりもリピート客の集客に重きを置くことになります。
このようにネットショップがライフサイクルのどの段階にいるのかによって、売上アップの戦略は異なるし、とるべき施策も変わってきます。
ショップの取扱商品による戦略の違い
ネットショップで取り扱っている商品によって、売上アップのための有効な戦略は異なります。
極端な話をすれば、スイーツと薪ストーブでは商品特性もターゲットも全く異なるので、違う売り方をしなくてはなりません。
スイーツは賞味期限があるので、在庫ロスを少なくするため予約販売の割合を出来るだけ増やしたいです。
「事前予約割引」などのオファーが有効でしょう。
また、美味しそうなスイーツを楽しんでいる写真の投稿など、Instagramを活用した飲食シーンの訴求が有効です。
薪ストーブは、高額なので購入までの検討期間が長い商品です。
また販売側の専門知識やアフターサービスが求められる商品でもあります。
充実した問合せ対応や、詳しい商品説明、利用方法を説明するページが必要です。
セッション数・転換率・客単価をアップさせるには
ここからは、上で説明した売上方程式
「売上 = セッション数 × 転換率(コンバージョン率) × 客単価」
の各要素(セッション数・転換率・客単価)をアップさせるにはどんなことが必要かについて説明します。
セッション数 – 来客数の増やし方
セッション数を増やすということは、リアル店舗でいえば来客数を増やすことです。
新たにサイトに来てくれる人(新規顧客)を増やすのか、以前買ってくれたお客様に再び来てもらうのか二通りの考え方があります。
調査結果によれば、ECサイトの担当者の中で「新規顧客の獲得」を課題にあげる人が最も多いです。
それだけ新規顧客の獲得は難しいのですが、集客の方法は「広告」「メディアの活用」「検索による流入」の三通りです。
ECサイトへの集客についてはこちらの記事でも詳しく説明しています。
集客について詳しく知りたい方は是非ご確認ください!
【関連記事】ネットショップ(ECサイト)集客を徹底解説
多くのECサイトの担当者が苦労するショップへの集客。広告、SEO、コンテンツなど幅広い知識が必要なネットショップへの集客方法について分かりやすく説明するほか、ショップの特徴ごとに最適な集客方法についても解説しています。
以前買ってくれたお客様に再びショップに来てもらうことも考えなくてはなりません。
メールマガジン、DMを使って、キャンペーンなど優待オファーを告知します。
告知手段として、商品を配送する時にチラシやパンフレットを一緒に入れることも有効です。
この時、顧客リスト全員に同じオファーを送らないようにしましょう。
誰でも一緒のオファーではなく、「このお客様に、このオファーを送る理由」を持つとよいと思います。
転換率の上げ方
次は転換率の上げ方です。
その前に、転換率ってなんでしょう?
少し聞きなれない言葉かもしれません。
転換率は、以下の計算式で求められます。
転換率 = 購入してくれたセッション数 ÷ 全体のセッション数
コンバージョン率とか購買率、成約率と呼ぶこともあります。
転換率を高めるには、お店に来てくれた人の買ってくれる確率を高くすればいいのです。
転換率は、「商品力」「陳列力」「接客力」を高めることによりアップします。
この中で一番大切なのは商品力です。
なぜなら、他では手に入らなくて、お客様にとって魅力的な商品を取り扱っていれば、あまり苦労しなくても商品は売れるからです。
逆に、お客様にとって魅力のない商品しか置いていなければ、なかなか買ってもらえないでしょう。
結局、商品力がよければいいなんて言うと身もふたもない話になってしまいますが、まずはよい商品を揃えることは、ネットショップの運営においてとても大切です。
客単価の上げ方
最後は、客単価の上げ方。
「ついで買い」「まとめ買い」を促すことによって客単価はあがります。
「5,000円のお買い物で送料無料」のようなオファーが有効です。
アマゾンで見かけたことがあると思いますが、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のような関連商品をオススメするレコメンドも効果的です。
これを自動的にやろうとするとレコメンドエンジンというシステムが必要です。
レコメンドエンジンは高価だったので、以前は大規模なECサイトにしか導入できませんでしたが、最近ではかなり安価なものも増えてきました。
EC CUBEやカラーミーショップなど多くのカートサービスにも対応しているので、中小規模のECサイトにも導入できるようになりました。
また、サプリメントや健康食品、基礎化粧品など、繰り返し購入しやすい商品であれば「まとめ買い割引」のオファーも有効です。
オリジナル化粧品の新規顧客の売上を20倍にした事例
さて、最後にフォーナウが行った事例の紹介です。
オリジナル化粧品を販売しているメーカーのECサイトの新規顧客の売上を20倍にしました。
このメーカーの化粧品ですが、これまでB2Bで販売していて、エステサロンなどに販売していました。
美容のプロが仕入れるだけのことはあって、高価ですがとても評判が良い商品でした。
そこで、ECサイトで消費者向け販売を拡大したいという意向があり、弊社へコンサルティングの依頼がありました。
この案件では、市場分析、戦略立案から施策実行までお手伝いさせていただきました。
内容についてここで書くと長くなってしまうので、詳しく知りたい方はこちらの記事を是非ご覧ください。
事例紹介:ECサイトでオリジナル化粧品が売れるようになるまでにやったこと
無名だけどユーザーからの評判はとてもよいオリジナル化粧品を、広告費を大量に投入することなく新規顧客の売上が3ヶ月で5倍、6ヵ月後には20倍という大きな成果をあげたコンサルティングプロジェクトの事例紹介。
まとめ
ネットショップの売上アップ戦略を立てようと思ったときに、基本になるのが売上方程式です。
売上 = セッション数 × 転換率(コンバージョン率) × 客単価
今回は、上の売上方程式で説明しましたが、これはひとつの例です。
売り上げ方程式は、状況に応じて何通りも考えらます。
ショップの状況に合わせて、施策の実行や検証に最も効果的な売上方程式を使用してください。