先日、某超大手広告代理店に行ってきました。
随分と久し振りの訪問だったので知らなかったのですが、1月に大幅な組織変更があったそうで、社内に散らばっていたデジタルマーケティング部隊を同じ部署にまとめたとのこと。
「デジタル●●マーケティング部」、「WEB▲▲ソリューション部」、「カスタマー××部」と、ぞろぞろと色々な部門がありまして、それぞれ専門的なお仕事をされている社員の方が大勢いました。なんとも羨ましい人材の充実っぷりです。この規模の会社と真正面からやりあったら絶対ダメな相手だなと改めて思った次第です。
長いものには巻かれろがモットーの会社でございます(笑)昔からお仕事をご一緒させて頂いておりますが、今後とも、よしなにお願い致します。
中小規模ECサイトを大きく成長させる為に必要なこと
photo by:gregt99
さて、ECサイトの世界でも、楽天やアマゾンを代表とする超巨大ECサイトが君臨する中、上手に競合状態を避けながら売上や利益を拡大されている中小規模のショップがたくさんあります。これらのショップが持っている共通の戦略とはなんでしょうか。
必要なのは大手と同じ土俵で戦わないこと
ECサイトではインターネットを使って価格比較が簡単に行えるので、他のサイトと同じ商品を売っていると必ず価格競争に巻き込まれます。価格競争になれば、そりゃあもう大手が有利です。パソコン、家電、スマホ、ファッション、食品、あなたのサイトがどの分野の店舗であろうと、大手はより安い価格で販売することができます。中小規模のショップが、楽天やアマゾンと同じ価値を提供しようとしても、それは無理な話なので最初から諦めましょう。
中小規模のECサイトは小さなビジネスサイズで始めて、大きく成長させるのが戦略の基本です。中小規模のECサイトは、大手が参入してこない特定のニッチ市場を狙うか、他では売っていないオリジナル商品を取り扱うことから始めましょう。
同じ土俵で戦わないことで、価格を守って販売し、適正な利益率を確保しましょう。取引の実績を重ね、商材の安定的な仕入ルートを確立しましょう。徐々に力を付けて、徐々に事業を大きく展開していくことが必要です。これは、起業して立ち上げたばかりの個人で経営しているようなECサイトは特にそう言えますし、中小規模のサイトを成功に導く為には必須のノウハウです。
なぜニッチ市場を狙うべきなのか
ニッチ(niche)とは隙間を意味する英単語です。ニッチ商品と聞くと、小さな市場を対象とした一部のマニアが興味を持つロングテールの商品と思いがちですが、本来の意味はちょっと違います。ニッチ商品がターゲットとする市場は大抵小さいことが多いのでそう思いがちですが、小さな市場を対象とした商品を意味しているわけでは無く、「需要はあるけど満たされていない隙間を埋める商品」を意味しています。
潜在的な需要をついて世界的に大ヒットしたニッチ商品といえばウォークマンです。スピーカーから音楽を聴くことが当たり前だった時代に、ウォークマンは「歩きながら音楽を聞く」という大きな需要がありながら満たされていなかったニッチ市場をターゲットに販売され、大ヒットにつながりました。
こんなにニッチ商品に魅力があるなら大手企業が参入してくるから、中小規模のECサイトには向かないのでは、と思った方いますか?
安心して下さい。大企業はここには参入してきません。
なぜかというと、「正しい経営判断」をしているとニッチ市場には参入できないのです(笑)
ここで言う「正しい経営判断」とは、顧客の意見、他社の動向、市場調査、収益性の検討、経営資源の適正配分、高品質で高付加価値な製品開発などを指します。現状、目の前に見えている顧客を相手にしている大企業にとって、見えない人のニーズはわからないのです。また、仮にわかったとしても市場規模や利益率が小さすぎて、企業の成長需要が満たせません。
このような理由からメーカーであれ、小売業であれニッチ市場に大手企業が参入してくる可能性は限りなく低くなります。ニッチ市場を狙った店舗作りは、大手との競争を避けることが可能となり、かつ、大きく事業を拡大する可能性を秘めており、中小規模のECサイトにとって非常に魅力的な戦略だといえます。
オリジナル商品を売るべき理由とは
オリジナル商品とは、自社ブランド商品のこと。ここでは、ニッチ商品とオリジナル商品の違いは、顕在化している需要の大きさで区別することにします。例えば、小さな化粧品メーカーが自社ブランドの基礎化粧品を販売しているとしたら、それはオリジナル商品。自社ブランドで販売していても、薪ストーブなどは顕在化している需要が小さいのでニッチ商品になります。
大手と同じ土俵で戦う事を避けることが中小規模のECサイトを拡大する為の基本戦略になります。その観点から言うと、自社のECサイトでしか手に入らないオリジナル商品を売ることはとても理にかなった事になります。ライバル商品の価格は常にリサーチし、情報を収集しておく必要はありますが、オリジナル商品を販売する場合、値付けや、売り方は基本的には自分の自由です。価格競争に巻き込まれたり、販売条件に影響を受ける心配はなく、適正な利益を確保することが出来ます。
ただ、オリジナル商品はなかなか売れません・・・。特に、発売後すぐのタイミングでは、注文がゼロの日が普通にあることを覚悟して下さい。そもそも商品がターゲットのニーズを満たすもので無い場合は全く売れるようにならないことすらあります。
このような、オリジナル商品開発の失敗の多くは、顧客視点を忘れ、自分が欲しいものを作ってしまうことにあります。オリジナル商品を売るには、商品そのものがユーザーニーズに合っているかどうかが重要になるので気を付けて下さい。
ニッチ商品とオリジナル商品は売り方がちがいます
小規模ECサイトが生きる道は、ニッチ商品やオリジナル商品を売ることにありますが、何も考えずに同じ売り方をしていてはなかなかうまくいきません。それぞれ商品の特性に合わせた売り方が必要です。ここではニッチ商品、オリジナル商品を販売する時のマーケティング上のポイントについて説明したいと思います。
ECサイトにおけるニッチ商品の売り方
ニッチ商品は欲しいと思っていない人にいくら上手に説明しても買ってくれません。
ボクはヒザの怪我をするまでは一生懸命格闘技をやってました。スパーリングの時などマウスピースをするのですが、自分の歯型に合ったマウスピースが必要で一生懸命検索して買った記憶があります。
格闘技やラグビーなど身体のぶつかるスポーツをやっている人以外に自分の歯型に合ったマウスピースを欲しがる人はほとんどいないと思います。当時のボクにとってはマウスピースをどうやって歯形に合わせるのかとか、材質はなにかとか、衛生面はどうかなどの問題はとても大事なことだったので、一生懸命調べて納得したものを買ったのですが、興味の無い人にこのマウスピースがどんなに素晴らしいのかを力説したとしても絶対に買ってくれません。
この様に、ニッチ商品の情報は、商品に興味がある人には重要ですが、興味がない人には全く意味のないものなのです。ニッチ商品を売る時は、潜在顧客よりも、顕在顧客にどれだけ多く接触できるかどうかがポイントになります。なのでSEO対策は必須になります。また、ニッチ商品の情報は世の中に多く流通しているわけではないので、ユーザーはその分野に圧倒的に詳しい人を求めていて、色々と教えて欲しいと思っています。その為、サイトにはより深い情報を掲載することが大切です。
ニッチ商品の売り方のポイント
通販サイトのコンテンツ例(薪ストーブの場合)
ブログでもコラムでもいいですが、上記のようなコンテンツづくりが必要です。
ECサイトにおけるオリジナル商品の売り方
オリジナル商品は知名度が低いので、ほとんどの人が商品を知りません。なので初めて商品を見る人にもきちんと魅力が伝わるような商品コピーや、写真が必要になります。商品コピーや写真は、リアル店舗で言えば接客担当者です。商品コピーや写真を工夫することは、優秀な接客担当者を採用するのと同じ効果があります。
また、当たり前のことですが、そもそも商品に魅力がなければ売れません。USPを設定することで、自社オリジナル商品の魅力を整理し、ユーザーに分りやすく伝えましょう。
オリジナル商品の売り方のポイント
オリジナル商品の売り方参考記事
オリジナル商品の魅力が伝わるコピーの書き方のコツについてまとめた記事です。
ECサイト商品コピーの書き方ノウハウこっそり教えます
弊社事例 – ニッチ商品、及びオリジナル商品の販売
ここでは、WEBサイトにおけるニッチ商品、及びオリジナル商品の販売支援について、弊社が行った事例をご紹介します。
ニッチ商品事例 – コンテンツマーケティングによる男性用ニッチサービスへの集客
ニッチ商品(この事例はモノではなく、サービスですが)の集客と言えば、コンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングの話をすると「うちの商品はニッチだからコンテンツによる集客なんて出来ない。」と言われることがあります。しかしそれって逆なのです。ニッチ商品は情報が足りないのです。商品を欲しい人は情報を探しているし、だからこそ検索するのです。当然、その受け皿となるSEOやコンバージョンを意識したコンテンツが重要になるのです。
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事例概要
会社名 A社
社員数 約400人
制作期間 1コンテンツにつき:プランニング1週間、ライティング1週間、ページ制作1週間
コンテンツマーケティングで考慮しなくてはならないのは、「集客」と「コンバージョン」です。フォーナウでは、より多くの集客につながるキーワード戦略をたてると共に、より効率的なコンバージョンにつながる為に、顧客ニーズを分解し購入までのストーリーを整理しました。
コンテンツマーケティングのポイント1 – 露出を高めるキーワード戦略
男性向けニッチサービスの利用意向がある人が、より多く検索するキーワードを抽出し、そのキーワードで上位表示されるためのタイトル付けを行い、更に、コンテンツに入れるキーワードを決定します。詳しい方法については、弊社のノウハウも含まれていますので、直接お問合わせ下さい。
コンテンツマーケティングのポイント2 – 顧客ニーズをコンバージョン率を高める
顧客ニーズを分解し、ニーズごとに商品の認知から購入までのプロセスを整理しました。更にそのプロセスを進むために必要なコンテンツのテーマを企画しました。
コンテンツマーケティングのポイント3 – 集客とコンバージョンの両方を加味したライティング
キーワード戦略、及びコンテンツテーマの両方に則ったコンテンツをライティングしました。
オリジナル商品事例 – オリジナルブランド化粧品の販売
無名のオリジナルブランドの化粧品の新規顧客売上を6ヵ月で20倍にしました。この事例では、調査 → 戦略立案 → 実行までを弊社で担当しました。
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事例概要
会社名 B社
社員数 約150人
期間 調査フェーズ3ヶ月 実施フェーズ半年
結果 新規顧客売上:3ヶ月で5倍 → 6ヵ月で20倍
この事例については、こちらの記事に詳しくまとめていますので合わせてご覧ください。
ECサイトでオリジナルブランドの化粧品が売れるようになるまでにやったこと