-shared-img-thumb-MAX85_searchsa20140531_TP_V

顧客にフォーカスをあてよう

マーケティングの基本はなんと言っても「顧客視点」とは言われますが、具体的にはどんな行為を指しているかというと、顧客にフォーカスをあてて考えるということ。顧客の立場に立って商品やサービスを開発することで、顧客に支持されるものが出来上がるし、よく売れるはず。

これくらいの事は、ビジネスに携わる人であれば誰でも知っているはずだけど、知っているのと出来るのは大違い。マーケティングの現場では、いざとなると自分がやりたい事を優先して考えてしまう人が結構います。

具体的に書いちゃうとヤバイので書けませんが、その昔、クライアントのマーケティングマネージャーがかなりのナルシストだったことがあって、あの時は色々とヤバかったです。自分が広告に出たがっちゃダメだろ。

分からないことは顧客に聞こう

さて、どうやったら「顧客視点」を持つことができるかですが、大事なのは想像力。
顧客になりきって顧客が何を考えているのか「顧客心理」を想像することで「顧客視点」を持つことができます。

もちろん、全ての顧客が均一的に同じふうに感じて、同じことを思う訳ではありません。そんな時は、顧客をグループ分けします。男性の顧客ならこう感じて、女性ならこう感じるとか、20代ならとか30代ならとか。この時、どんなグループを作るのかは大事なポイント。感じ方や考え方が明確に異なるグループを作らなくてはなりません。

困るのは想像する為の情報が足りない時。例えばPCやスマートフォン、車やお酒など自分がいつも利用している物の場合は顧客になりきって考えることは比較的容易ですが、対象商品が化粧品だったりすると、男性のボクの場合は情報が足りなくなってしまい、顧客になりきることが難しいのです。

そんな時は顧客に直接聞いちゃいましょう。
わからない時は顧客に聞く。ユーザーインタビューですね。
これが一番手っ取り早いです。顧客に聞くのが一番ですが無理な場合は、優秀な販売員でもいいですし、顧客に詳しい社員の方でもいいです。

インタビューでは、顧客が何を感じ、何を思い商品を利用しているのか、周辺情報から探っていき、最終的には顧客の頭の奥の方にあるもやーっとしていて整理出来ていない様なことも聞きだして整理します。顧客が直接言葉に出来なくても、いろいろな事実を組み合わせていくと、もやーっとしていたことが目に見えるようになってきます。

昔は、随分とアンケートにこだわりましたが、今はアンケートではなくてインタビューの方が顧客の気持ちを理解するにはいいという考えに変わりました。アンケートだとどうしても予め想定していた質問しか聞くことができません。その場で聞きたい事を臨機応変に変えることが出来るインタビューの方が「顧客心理」を明らかにし、ひいては「顧客視点」を持てるようになるにはいいと思います。

-shared-img-thumb-PAK85_lalamaittawai20140321_TP_V

でも、知らない事には答えられません

「顧客心理」を知り、「顧客視点」を持てるようになる点では役に立つインタビューですが、使い方を気を付けなければならない場合もあります。

新商品開発のアイディア評価にインタビューを使うのは避けた方がいいです。顧客はまだ体験したことの無いもの、見たことの無いものについては答えられません。

商品コンセプトとかデザインだけ見せて「●●みたいな商品があったらどうですか?」という質問に対し、「欲しい」とか「欲しくない」とかいう回答ほどアテにならない答えはありません。

よーく知っておいて欲しいのは、顧客(インタビュー対象者)が評価するのは、「良いけど他と違いがない商品」なのです。

「良いけど違いのある商品」も「悪いけど違いのある商品」も両方ともインタビューでは評価されません。でも、実際に売れるのは「賛否両論あるけど違いのある商品」なのです。つまり、インタビュー結果が悪くても売れるものはたくさんあるのです。

あと、インタビューの最も悪い使い方は、新商品のアイディアを聞く事。顧客といえども素人なので、いいアイディアは絶対に出てきません。