アリババが世界一の流通企業に

中国のEC企業のアリババがウォルマート超え世界一の流通企業になりました。

2015年4月からの年間売上が3兆元(約51兆円)を超えたそうです。今年度中にウォルマートを抜いて世界一になるのは時間の問題だと言われていましたが、アリババは、ウォルマートが54年かかって達成した売上をわずか13年で達成したことになります。すげぇ。

ボクは、アリババの躍進を支えている要因はふたつあると思ってます。

一つ目は、なんといっても中国13億人のマーケットパワー。
何しろ日本の10倍以上の人口がいる国ですからね。底力が違います。

そして二つ目は、中国のインターネット政策です。意外だと思うかもしれません。なにしろ中国は金楯プロジェクトと呼ばれるネット検閲により、政府にとって都合の悪い情報を閲覧できないようにしていますから。

これはこれでけしからんのですが、インターネットそのものを利用出来ないようにしているのではありません。政府にとって都合の悪い情報は閲覧できなくし、経済発展に必要な機能だけは解放しているのです。Wikiによると中国でネット検閲をしているインターネットポリスは30,000人以上いると見積もられているらしいです。お金かけてますね。
(Wikipedia-中国のネット検閲)

中国って色々と問題の多い国ですが、インターネットの取扱は(政府の都合のいいように)すごくうまいことやりました。北朝鮮は「インターネットは悪ざます!」と物理的につなげないようにしてますが、中国は「見てもいいけど、いいと言ったとこだけね。」と条件付の解放です。

一党独裁制の維持と経済発展を両立させる為に、面倒でお金のかかる検閲をしてまで「つながっているけど、つながってない中国式インターネット空間」を作り出し、このネット政策があったからこそアリババが発展できたということです。

パチモンは中国の農村部を救う?

さて、アリババで売られている高級ブランド品の多くが模造品。つまりパチモンだと言われてます。もちろんアリババはそのことを容認している訳ではなく、2000人を超えるスタッフで構成される不正商品対策チームがパチモン排除の為に対応しています。しかし、イタチゴッコでなかなか完全な撲滅まで至りません。

パチモンの出品者数があまりに多いということもあるけど、アリババは本気で排除しようとしないのです。排除しているフリはするけどうまく抜け道は残しておく。そんな感じ。

なぜかと言うと、パチモンは中国の農村部に建てられた工場で作られ、中国の中間層が販売しているからです。つまり、パチモンを製造し販売することで、中国の中間層や農村部の人々の生活が成り立っていることもあるのです。アリババは、多くの貧しい中国人たちに(甚だ迷惑な話ではあるが)パチモンを売るという起業の機会を与え、その暮らしを向上させてきたということも事実なのです。

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タンカーだって売ってます

アリババで売られているものはもちろんパチモンだけじゃありません。どんなモノが売られているのかウロウロと見ていると、謎の商品が見つかります。

例えば・・・。

タンカーとか売ってます。楽天じゃタンカー売ってないだろ。
「安い売るDWT7000T」とか言われましてもね。。
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後は、はしけとかね。重い荷物を運ぶのに便利そうですよ。はしけ。
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ということで、パチモンからはしけまで、世の中にあるもの全てを取り扱っているようなサイトになってきたアリババですが、パチモンが無くなったらなんか買ってみようかなと思います。

それにしても、2000年に中国を訪れ、アリババの創業時に20億円の出資をした孫さんはさすがです。アリババ創業者のジャック・マーに会ってその目を見て即断したというのですから、二人とも只者じゃないですね。